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リーダーシップとは何か? その2

前投稿において、リーダーシップの本質とは、周囲に良き影響力を与えるということと記しました。多くの人々が後ずさりする困難な状況下で、毅然とした態度で一歩前に出る、そのような姿を見て、1人また1人、と周囲に追随する者が現れる。そのような風景に、リーダーシップの本質が表現されているのでは、との思いを記したわけです。


そのような「一歩前に出る勇気」とは一体何か、どう成り立っているのかについて、今回も少し考えてみたいと思います。



結論から申せば、それは「ありたい未来の状態」を描き、それに少しでも近づくことを願う意思によって生ずる行動、と表現できると考えます。言い換えると、自身の成功・失敗などはどうでもよく、何とか目指すあり方に近づきたいという思いと、少しでも人の役に立ちたいという思い、それらが統合されたスタンスなのだろうと思います。


目の前のことで精いっぱい、実務をこなすことしかイメージできない、というタイプの人材には難易度が高いことでしょう。何しろ”忙しい”ので、目に見えない、どうなるかもわからない未来のことなど考えるだけ無駄、という方も少なくありません。


しかし、もはや私達を取り巻く社会・経済環境は大きな転換を果たしています。何をすれば成果が上がるかが、まったく見えない時代に突入しているということですが、それは”今後”の話ではなく、かなり前に転換しているという「過去形」なのです。


正解など誰も持ち合わせてはいません。過去の成功事例も参考になりません。様々な前提条件が変わってしまっているのです。だからこそ、ビジネスリーダーに求められるのは、広く情報を集め、思い切った未来描画を試み、その具現化に向けて何をどうしていくことが今必要なのか、ということをシナリオに落しこみ、現時点での経営に責任を有する方々にしっかりとしたパッケージをもって提言に臨んだうえで、深い対話の中から「ありたい未来」に向けて、今まさしく下すべき決断を引き出していく、という姿勢に他なりません。


ありたい未来を考える習慣をつけたいものです。きっとその中から、何とかそれを目指したいといういう、やむにやまれぬ気持ちが沸いてきて、それこそが、誰もが後ずさりする状況下で、一歩前に出ることができる勇気を自分の中に持つことを助けるからです。


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